2017年8月4日金曜日

作曲家と指揮者のはざまで

写真は、今度とあるコンサートで使うモーツァルトのシンフォニア・コンチェルタンテのスコアを楽譜作成ソフトで打ち直しているとこ。珍しいバイオリン・ビオラ・チェロの三重協奏曲で、しばしば演奏されています。
 
そもそも、この曲はイントロからソロが出てくるとこまで書かれてはいるが未完の曲ですが、幾人かの作曲家が補筆して作品として世に出してます。だいぶ昔、学生のころに三枝成彰氏による補筆版をビデオで見ましたが、モーツァルトがそう書くとは思わないですが、それはそれでなんか面白かった記憶があります。詳細はすっかり忘れましたが。

いま私が私が譜面にしているのはオットーバッハの補筆版のスコアなのですが、なんとも鉛筆の書き込みの多いこと!

もとの作曲家のケアが足りないとこもありますが、かなりアーティキュレーションまでいじってる。聴くところによると30年も前に演奏したときに指揮者が書き入れたとのこと。つまりは、補筆版の補筆版!

そして、いま私がさらに補筆…と言いたいところですが、
でも、それはやめるつもり。

理由。確かに、指揮者の書き込み(修正)は演奏する身からするとごもっともな点がおおく、スラーやスタッカートが整合性がなく、強弱記号が抜けてると思いたくなるとこもかなりあります。
でも、さすがにこの書き込みは補筆作曲者の音符たちを変えすぎじゃあないですかねえ…と。なんか○ー○ース版の譜面を見てるみたいで、後に原曲の書きっぷりを知りたい人が困るのではと思っちゃう。

ということで、ぼくはとりあえず作曲者の書いたように復元して綺麗に直すだけにすることにしました。
オリジナルを残し都度演奏家が自分のオリジナリティで解釈すればよいですよね。ま、明らかな落ちのところは直しておきますが。
あとはこれを演奏するのがドイツやウィーンの名門オケの首席たちなので、むしろ彼らに任せた方が良いでしょ!リハーサルでなんとかなるさ。

ただいまそんな感じで、作曲者と指揮者の書き込みの狭間に立たされ、古くてかすれたスコアとにらめっこが続いてます。もー、ぐじゅぐじゅとペンで塗りつぶされた文字はもう読めないぞ!
ふう、やっとカデンツまできたぞー。あと残すは1/4くらいかな。頑張ろー。

0 件のコメント:

コメントを投稿